あやまちのあとに

 1986年にたけしさん(北野武)が『フライデー』の編集部を襲撃したあと、ある雑誌を読んでいると、その件に関していろいろな人のコメントが掲載されていました。ほとんどの人はフライデーの報道姿勢に対する批判でしたが、さんまさん、タモリさん、欽ちゃんは違う視点でコメントされていました。やっぱり人を笑わせるには人と違う視点で物事をみれないといけないのですね。

 また、たけしさんの母である北野さきさんも「フライデー襲撃」後にテレビの取材がありました。さきさんは、たけしさんを「死刑にしてください」と苦悩を浮かべた表情でおっしゃっているのを、僕はテレビで見ました。それを聞き、このお母さんは偉いな〜。愛があるな〜。と思いました。なぜなら、「死刑にしてください」という言葉はたけしさんに対する戒めになると同時に、それを聞いた人たちが「いや、おかあさんそこまでは」といった気持になり、世間の風当たりを少し弱める効果があるからです。これが本当に死刑になるような犯罪ならそういう効果はないと思いますが。「死刑にしてください」の言葉の裏には、子供に対する母の厳しさと愛情がありました。

 極楽とんぼの圭ちゃん(山本圭一)は淫行騒動の後テレビにでなくなりました。『めちゃ²イケてるッ!』は圭ちゃんがでなくなって、トウガラシの入ってない麻婆豆腐のようになってしまいました。僕には、芸能界がどういう力学で動いているのかは分かりません。罪を比較することに意味がないのかもしれません。しかし、たけしさんが大活躍しているのに、なぜ圭ちゃんはテレビにでれないのでしょうか?人があやまちを犯した後、それをどう償い、世の中のためになる生き方ができるのか、ということも人間にとって大切なことの一つだと思うのですが・・・。

 それにしても、たけしさんは「世界の北野」とか言われるぐら大物になったのに、いまだに「火薬田ドン」とかやってくれる所はステキやん。