北朝鮮の核兵器と大陸間弾道ミサイルの開発問題について

　北朝鮮が米国を攻撃できる大陸間弾道ミサイルを持ったとして、米国を核を使用し先制攻撃した場合、その後、火力で圧倒する米軍が時間の問題で北朝鮮を制圧するでしょう。北朝鮮からの先制攻撃は北朝鮮の破滅を意味します。まともな精神なら簡単にわかります。もし北朝鮮からの先制攻撃があるとしたら、最高指導者が正気を失った時でしょう。冷戦下でソ連は広い国土と人類を何度も滅ぼす核兵器を持っていながら米国への核攻撃をおこないませんでした。ソ連よりはるかに国土が狭く火力も弱い北朝鮮からの先制核攻撃の可能性は、ゼロに近いものです。

　米国からの先制武力攻撃は北朝鮮からの反撃を考えるとリスクが大きすぎます。北朝鮮からの核攻撃の可能性が低いにも関わらず、大きなリスクの伴う米国からの先制武力攻撃は愚かとしか言えません。「アメリカ・ファースト」と言えなくなります。

　ですので、北朝鮮の核兵器と大陸間弾道ミサイルの開発問題は、解決に向けて関係各国は武力行使を伴わない方法をとるしかありません。時間はかかるかもしれませんが。

　あの方ならこう言うかもしれません。
「北朝鮮以外にも核保有国があるのに、どうして北朝鮮にむかって、核兵器を破棄しろと言えるのでしょうか。まず北朝鮮以外の核保有国の核兵器を破棄してください。そうすれば北朝鮮から核兵器を取りのけることができるでしょう。」北朝鮮一国が核兵器を保有しようとしても、核兵器を持たなくなった全世界が「だめ！」と言えば持つことはできません。

　この言葉は理想論だとおっしゃる方もいるでしょうが、これを現実にしなければ、今後も核拡散が進み、ある核兵器保有国が核管理ができなくなった時、狂信者の手に核兵器がわたり使用される可能性の方が、北朝鮮が先制核攻撃を行う可用性より高いと思います。核兵器の放棄こそが、本当は「アメリカ・ファースト」への道なのです。