性犯罪を無くすために

 『社会実情データ図録』の「強盗、暴行、恐喝、性犯罪についての国際比較(2005年)」(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/2788d.html)を見てみると、表の国々の中で、強盗、暴行、恐喝の被害者率は、日本は最低ですが、性犯罪はそうではありません。

 日本における性犯罪の原因として、日本文化の中に過度な「恥」の意識があると思います。それを象徴しているのが、男女の性器を恥部と呼び、アダルトビデオでは性器の画像にはモザイクをかけて、はっきり見えないようにしていることです。

 人のものを盗んだり、暴行することを恥ずかしいと思うことは大切です。しかし、フロイトを持ち出すまでもなく自己の肉体に対するする過度の恥の意識や、セックスに対する間違った考えが、人間が持つ健全な性的欲求を抑圧してしまい、不健全なものにし、衝動的になり、性犯罪をしてしまうということがあると思います。本来喜びを分かち合える性行為が人を傷つけることになっているのは、性犯罪者の、共感性の欠如や自己抑制の低下もありますが、性に対する抑圧や歪んだ考え方にも原因があると思います。

 ですので、モザイクをかけなければいけないのは、「男女の性器にモザイクをかけないといけない」という考え方のほうです。

 性犯罪を無くすための第一歩として、僕が考えるのは以下のことについて学ぶことだと思います。
・自己の肉体に対して、過度な恥の意識を持たないこと。
・明るいセックス、楽しいセックス、気持ちいいセックスについて。
・避妊について。
・オナニー(自慰)について。
・愛をどう表現するか。
・恋人との別れ方。
・上記の事柄についてみんなで議論する。
他にもストーカーや痴漢をしない、させないためにはどうすればいいかなど、学ぶことはたくさんあります。年齢に応じて性について学べるような機会を日本の学校でもつくったらいいと思います。過去の性を扱った文学作品を通して国語を学んだり、セックスについての統計数をもとに社会や数学を学ぶこともできます。AV男優を引退した加藤鷹のような人に、講師になってもらったらと思います。

 別に僕は、不特定多数の人とセックスをしろとか、裸で街を歩けといいたいのではありません。地球の人口は現在70億人を超えたそうですが、人間は70億の恥や罪の結果存在してるのではありません。宗教によっては「セックスはよくないこと」とし性をゆがめる原因の一つになっていますが、セックスという行為は恥でも罪でもけがれたものでもありません。どんな宗教でも赤ちゃんの誕生は祝うはずです。赤ちゃんの誕生は祝福されるものなのですから、それを可能とする行為であるセックスも祝福されるべきものなのです。

 子供を作ろうとしないセックスやオナニーもしすぎなければよいとおもいます。酒の飲みすぎ、仕事のし過ぎ、寝すぎ、運動のしすぎなど、やりすぎはバランスを崩しますが、セックスやオナニーも適度に行う分には、よいことだと思います。逆に「子供を作ろうとしないセックスやオナニーはよろしくない」とおっしゃる方には、その理由をうかがいたいですね。