最優先事項

ある親子の会話(父48歳、娘 ユカ17歳)(このお話は僕の空想です)

場所 リビングに父が入ってくる

父「珍しいな、お前が新聞を読んでるなんて」
ユカ「菅さんは総理をやめたほうがいいんじゃないかって思って」
父「なんでだ」
ユカ「だって、今回の東日本大震災後の対応が遅いもの」
父「それは確かにそうかもしれない、でもユカが日本の総理だったらどうしてた?」
ユカ「え?分からないわ」
父「批判するのは簡単なんだ。でも今日本人一人一人が少し考えないといけないのは、もし自分が日本の総理だったらどうしていたか、また今後どうするのかということじゃないのかな。それを考えた上で、政府に対する意見を言ったほうがいいんじゃないかな。菅さんがやめた後総理になった人は上手くやれるかな」
ユカ「・・・・じゃあ父さんが総理だったらどうするの」
父「新聞に『東日本大震災への対応は、被災当初の緊急事態「フェーズ1」から、復興への道をたどるべき「フェーズ2」へと徐々に移行しつつある。(中略)
フェーズ1では、何より人命救助と被災者の生活支援が求められ、政策目標は明確である。惜しむことなく必要なコストをかける必要があり、他の政策目標とのトレードオフを気にする必要はない。』と書いてあるだろ、これを読んでどう思う」
ユカ「そうね、確かにフェーズ2に移行しているようだけど。避難住民が10万人以上いるってことは、まだまだフェーズ1の割合が大きいと思うわ」
父「そうだね、今政府が最優先でやるべきことは、避難所にいる被災者を1秒でも早く避難所から連れ出し、落ち着ける場所に住んでもらう。それに全力を尽くすことだと思うよ」
ユカ「そうね、そうすれば被災地以外に住んでいる人も気兼ねなく旅行とかもできて、消費者マインドもよくなるかもね」
父「そう、それが人道的にも経済的にもよい結果をもたらすはずだよ」
ユカ「伊達直人の名前はすっかり聞かなくなったけど、あの直人さんはやってくれるよね」
父「たぶんね。伊達直人は誰の心の中にもいるからね」

『』内は日本経済新聞2011年4月16日 大機小機より引用