エッセイ好き

 以前村上春樹のエッセイが大好きでよく読んでいました。

 彼のエッセイの内容は、枠にはまるのを好まない、親戚の叔父さんといった感じの文章で、何度も何度も読み返しました。しかし、何度も読み返していると、しまいには内容を覚えてしまって最初の2、3行を読むと内容がすべて浮かぶようになりました。そうなってくると、読んでも面白く感じないので僕にはまるエッセイはないかと、プロの文筆家のエッセイをたくさん手にとって読んだのですが、村上さんのエッセイに匹敵するようなエッセイになかなか出会えませんでした。エッセイはテレビを見ながらとか、ちょっと5分ぐらいの隙間時間に読めるので好きです。ちなみに、村上さんの小説は『羊をめぐる冒険』を途中まで読んで面白さを発見できず、その他の小説も読んでいません。でもいつか時間のある時に読みたいとは思っています。小説はじっくり読みたいので。

 そんな時にであったのが『hakanashika』(今はタイトルが分りません)http://d.hatena.ne.jp/sskr31/さんのブログでした。

 確かに先生(僕は加藤周一を心の中でそう呼んでいます)の書いたものは読むと勉強になり啓発されますが、先生の書いたものを読むのは正直しんどいし、疲れます。

 その点『hakanashika』さんのブログの内容は深すぎず、浅すぎず、いい塩梅です。仕事で疲れた後に読むと、ほんわかとした気分になり癒されます。

「智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。」と書いたのは夏目漱石ですが、智と情のバランスの取れた文章が、先生、村上さん、『hakanashika』さんに共通している点だと思います。